あなたの反応が私をつくる。私の⾏動があなたをつくる。

長江へ写真を撮りに行った時の様子

タイトル:「あなたの反応が私をつくる。私の⾏動があなたをつくる。」
素材:映像、写真など
制作年:2017年から2019年

対話を記録した映像。非言語的な対話が行われていることが分かるように 字幕部分で、 過去に制作した「限られた言葉とトイレの捕獲」という作品と同じ手法をとっている。

私と彼とで2回シャッターを切ることにより制作された、二重露光による写真。

 「あなたの反応が私をつくる、私の行動があなたをつくる。」は中国・重慶で出会った、ある青年とのコミュニケーションを通してつくられた記録などの総称だ。

 映像では、椅子をつくる、絵を描く、とうもろこしを食べる、将棋をする、長江に行くなどの活動を通した言葉のやりとりを字幕で表現している。映像での対話の記録とは別に、一緒に二重露光の写真を撮るというプロジェクトも行っていた。展示では、映像、写真、テキストなど、様々なメディアを使って表現される。

 青年は、経済的にも政治的にも取り残された位置におり、一般的な理解の仕方で言えばホームレスと言うことになる。私はホームレスという単語で彼を捉えることはできないと思っているし、ホームレスという単語を使って一般化して理解したような気になろうと思えば、彼を知ることはできないと思っている。私と彼とは、国家も、母国語も違う。そういった状態での対話を通して、新しい言葉や関係のつくり方を発見することを試みた。言葉の機能を考え直すことが、この作品が問題にしようとしていることだ。 一般化して理解しやすくするという、人間の思考や言葉の機能を私は変更したいのだ。

  また、他者に対しどのような仕方で近づくことができるのかという芸術上の特権的な部分についての問題も考えられている。つまり、彼と私の間には、被写体と芸術家というポジションの違いもある。このことは、彼の生活を切り取る行為としての撮影することが持ってしまうある種の暴力性につながる。「あなたの反応が私をつくる、私の行動があなたをつくる。」というタイトルは、それらを解決するただ1つの方法を示しているのではないかと考えている。

2018年 『Local Prospects4 -この隔たりを-』(三菱地所アルティアム/福岡) 展示風景

アルティアムの展示記録集

ことの顛末を書いたテキストと、その写真も展示された。
ダイジェスト版