伊王島歴史御輿散歩

伊王島馬込地区で、マリアが十字架山に登るというストーリーを受け入れてもらうことができ、 聖母行列と山の清掃を組み合わせた行事が行われることになった。

タイトル:「伊王島歴史御輿散歩」
素材:角材、スチロール、石粉粘土、ビデオ、など
制作年:2010年

伊王島にはカトリック、神道、仏教の三つが共存している。また、石炭で一時代を気づいた歴史がある。街にあるこれらのストーリーをもとに、いくつかの提案を同時にしていき、その1つを受け入れてもらうことができた。

遠見岳頂上にある巨大十字架。左が清掃前、右が行事当日の様子だ。高齢化に伴い、伊王島の様々な場所が藪となり道がなくなっていたため、この場所以外にも草刈りや清掃を行い道を開く活動をしていた。私を引きついだというわけではないが、その後、地域の一部の方々が、伊王島灯台付近でも清掃活動を始めていると聞いている。

 これは、清掃活動と御輿を運ぶという2つを組み合わせることで、新しい仕組みを創る試みだ。上の十字架が見える写真は、実際に清掃活動を行った同じ場所だ。他にも様々な場所で清掃活動を行っている。
 伊王島には、隠れキリシタンの歴史、炭坑の歴史、日本発の灯台、リゾートとしてのイメージなど、さまざまな歴史的背景を持ってる。また、カトリック教会、お寺、神社と、様々な宗教が混在している。しかし、現在は、人口の減少に伴う高齢化により、管理されない場所が増えているという背景があった。
 この島には様々なタイプの偶像と、清掃しなければならない場所があり、その2つを組み合わせることで、1つの仕組みを提案できないかと考え、同時にいくつものアプローチを提案し、そのうちの1つ遠見岳の清掃と、遠見岳にマリア像を運ぶ提案は、毎年、住民が主体的に開催する行事となった。2010年から2016年まで同じ形で続けられ、その後少し形を変えて継続されている。